iPhoneを機種変更する際に必要なのが古いiPhoneのデータ移行です。
iOS 12.4以降のiPhoneでは、iPhone同士を近づけることで直接データを転送できる「クイックスタート」で、Wi-Fi環境がなくても簡単にデータ移行を行うことができます。
本記事では、iPhoneからiPhoneへのデータ移行方法を分かりやすく解説します。
↓iPhoneからAndroidへのデータ移行方法はこちら
iPhoneからiPhoneへデータを移行する方法
iPhoneのデータバックアップ・移行方法は、移行先の機種によって異なります。
iPhoneからiPhone へ移行する方法は主に以下の3つです。
- 「クイックスタート」を使う
- iCloudからバックアップ
- パソコン(iTunes/Finder)からバックアップ
それぞれの特徴・注意点をまとめてみました。ご自身の操作しやすい方法を試してみてください。
特徴 | 注意 | こんな人におすすめ | |
「クイックスタート」を使う |
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iCloudからバックアップ | iCloudにバックアップを作成→新しいiPhoneからデータを復元 |
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古いiPhoneが手元にない |
パソコン(iTunes/Finder)からバックアップ | パソコンを使ってバックアップを作成→新しいiPhoneからデータを復元 |
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1.「クイックスタート」を使う方法(iOS 12.4以上)
クイックスタートは、2台のiPhoneを近づけるだけでデータを直接転送できる便利な機能です。iOS 12.4以降のiPhoneに対応しています。
- ネットワーク環境がなくても、Bluetoothと一時的なWi-Fi(端末間通信)を利用してデータ移行できるため、Wi-Fi環境は不要です。
- クイックスタート経由でiCloudバックアップからデータを復元する場合は、Wi-Fi環境が必要です。
準備するもの
- 2台のiPhone(古いiPhoneと新しいiPhone)
- 古いiPhoneのApple IDとパスワード
- 新しいiPhoneの初期設定を完了させておく
手順
1.古いiPhoneのWi-FiとBluetoothをオンにする
2.新しいiPhoneの電源を入れ、初期設定を開始する
3.「クイックスタート」と表示されたら、古いiPhoneを新しいiPhoneに近づける
4.古いiPhoneの画面に新しいiPhoneの画像が表示されたら、「続ける」をタップする
5.新しいiPhoneに表示されたアニメーションを古いiPhoneのカメラで読み取る
6.古いiPhoneのパスコードを新しいiPhoneに入力する
7.新しいiPhoneでApple IDとパスワードを入力し、サインインする
8.データ転送方法を選択する画面が表示されたら、「iPhoneから転送」を選択する
「iCloudからダウンロード」を選択すると、iCloudのバックアップデータを移行することができます。その場合、Wi-Fi環境が必要になるため、古いiPhoneをWi-Fiに繋いでおく必要があります。
9.転送が開始されるので、完了まで待つ *データ量によっては時間がかかります
注意点
- 古いiPhoneと新しいiPhoneのバッテリー残量が十分にあることを確認してください
- 転送中は2台のiPhoneを近づけたままにして、操作をしないでください
- データ量が多い場合、転送に時間がかかることがあります
- 一部のアプリやデータは個別に移行が必要な場合があります
クイックスタートの詳しい操作手順はApple公式の動画をご確認ください。
2.iCloudからバックアップ
iCloudに最新のバックアップを作成しておくと、機種変更時だけでなく紛失・盗難の際にもすぐにデータを復元できます。
- iCloudストレージの無料プランには容量制限があるため、事前にデータ容量を確認しましょう。ストレージが足りない場合は有料プランへの加入が必要です。
- バックアップ作成にはWi-Fi環境が必要です。モバイルデータ通信(4G/5G)では作成できないため注意しましょう。
準備するもの
- iPhone本体
- Apple IDとパスワード
- Wi-Fi環境
バックアップ作成手順(古いiPhone)
1.古いiPhoneをWi-Fiに接続する
2.ホーム画面から「設定」アプリを開く
3.自分の名前をタップ
4.「iCloud」をタップ
5.「iCloudバックアップ」をタップ
6.「このiPhoneをバックアップ」がオフになっている場合はオンにする
7.「今すぐバックアップを作成」をタップ
8.バックアップが開始されるので、完了されるまで待つ
*データ量やWi-Fi環境によっては時間がかかります
データ移行手順(新しいiPhone)
1.新しいiPhoneの電源を入れ、初期設定を開始する
2.「クイックスタート」の画面が表示されたら「もう一方のデバイスなしで設定」をタップ
3.「アプリとデータを転送」画面から「iCloudバックアップから」を選択
4.案内に沿ってApple Accountへのサインインを行う
5.利用規約が表示された場合は「同意する」をタップ
6.「iCloudバックアップを選択」の画面が表示されたら古いiPhoneの最新バックアップデータを選択
7.「iCloudから復元」画面が表示されるので、復元が完了するまで待つ
注意点
- バックアップ中はiPhoneの電源を切らないでください
- Wi-Fi環境が不安定な場合、バックアップが中断されることがあります
- バックアップには時間がかかる場合があるので、時間に余裕を持って行ってください
- iCloudストレージの容量が不足していると、バックアップが正常に完了しない場合があります
iCloudの無料プランでは5GBのストレージ容量が提供されます。容量が不足する場合は、有料プランに加入する必要があります
iCloudバックアップ手順の詳細はApple公式の動画をご確認ください。
クイックスタート、iCloudでのデータ移行に失敗した場合
iCloudやクイックスタートでのデータ移行が途中で止まってしまったり、エラーが表示される場合、Wi-Fi環境が不安定、もしくはiCloudの空き容量が不足している可能性があります。
その場合は以下の方法を試してください。
- 安定したWi-Fi環境に接続しているか確認する
- Wi-Fiルーターを再起動したり、場所を変えたりして、電波状況を改善する
- (iCloudを使用する場合)iCloudの空き容量が十分か確認し、必要であれば容量を追加購入する
- iPhone本体を再起動する
3.パソコン(iTunes/Finder)からバックアップ
パソコンと古いiPhoneをコード接続し、iTunesまたはFinderでバックアップを作成する方法です。
新しいiPhoneを接続し、古いiPhoneのデータを復元することができます。
- MacOS Catalina以降のMacは「Finder」から、MacOS Mojave以前のMac、Windowsパソコンは「iTunes」からバックアップを作成できます。
- iTunesは最新バージョンをインストールしてください。
準備するもの
- iPhone本体
- パソコン
- USBケーブル
- (MacOS Mojave以前のMac、Windowsの場合)iTunesをインストールしておく
バックアップ作成手順(古いiPhone)
iTunes(Windows/macOS Mojave以前)の場合
- iPhoneをUSBケーブルでパソコンに接続する
- パソコンでiTunesを開く
- iTunes画面の左側にiPhoneアイコンが表示されたらクリック
- 「概要」タブを選択する
- 「バックアップ」セクションで、「このコンピュータ」を選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップが開始されるので、完了するまで待つ
Finder(macOS Catalina以降)の場合
- iPhoneをUSBケーブルでパソコンに接続する
- パソコンで「Finder」を開く
- Finderのサイドバーにある「iPhone」を選択
- 「一般」タブを選択
- 「バックアップ」セクションで、「iPhoneのすべてのデータをこのMacにバックアップ」を選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップが開始されるので、完了するまで待つ
データ移行手順(新しいiPhone)
- 新しいiPhoneをパソコンに接続する
- パソコンで iTunesまたはファインダーを開く
- 「バックアップを復元」を選択
- (暗号化バックアップを作成した場合)パスワードを入力
- データ転送が開始されるので、完了するまで待つ
注意点
- バックアップ中はiPhoneの電源を切らないでください
- パソコンの空き容量が十分にあることを確認してください
- バックアップには時間がかかる場合があります。時間に余裕を持って行ってください
- iTunesまたはFinderのバージョンによっては、手順が異なる場合があります
- 非純正ケーブルではデータ転送ができない場合があるため、Apple純正のUSBケーブルを使用してください
iTunesでエラーが表示される場合
iTunesの不具合や接続環境により、iTunesでのデータ移行中にエラーが表示される可能性があります。
その場合は以下の方法を試してください。
- パソコンを再起動する
- iTunesを最新バージョンにアップデート
- iTunesを再インストール
- iPhoneとパソコンを接続するUSBケーブル(正規品)を新しいものに変える
パソコンのセキュリティソフトがiTunesの動作を妨げている場合は、一時的にセキュリティソフトを停止しましょう。
「バックアップが壊れているため」と表示される場合
バックアップデータの破損等により、iTunesで「バックアップが壊れているため、○○のiPhoneをバックアップできませんでした。」と表示されることがあります。
その場合は以下の手順でバックアップデータを作成し直してください。
- iTunesで古いバックアップデータを削除する
- iTunesを開き、「編集」>「環境設定」>「デバイス」を選択
- 削除したいバックアップデータを選択し、「削除」をクリック
- iPhoneのバックアップを再度作成する
データ移行前にストレージ容量を確認しよう
データを移行する前に、データ容量が新しいiPhoneのストレージ容量を上回っていないか確認しましょう。
データ容量確認方法(古いiPhone)
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPhoneストレージ」を選択
- 「使用済み」の項目に記載されているデータ容量を確認する
ストレージ容量確認方法(新しいiPhone)
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップする
- 「iPhoneストレージ」を選択
- 「利用可能」の項目に記載されている容量を確認
古いiPhoneのデータ容量が、新しいiPhoneのストレージ容量を上回っている場合は、
- 不要な画像・動画・音楽データなどを削除する
- iCloudなどのクラウドサービスにデータを保存する
など、新しいiPhoneのストレージ容量に収まるデータ量に調整してからデータ移行を行いましょう。
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