「赤ロム」と呼ばれる端末は、買取査定で大きな減額対象となるだけでなく、赤ロム端末と気づかず購入してしまった場合、トラブルにつながる可能性もあります。
本記事では「赤ロム」とはそもそもどのような端末・状態を指すのか、分かりやすくご紹介します。
- 1. 赤ロムとは?
- 2. 赤ロムになる原因
- 3. 赤ロムの解除方法
- 4. 「残債あり」との違い
- 5. 赤ロム・白ロム・黒ロムの違い
- 6. 赤ロムかどうか確認する方法
- 7. 赤ロム端末の購入リスクを回避するには?
- 8. 赤ロム端末を購入してしまった場合
- 9. 赤ロム端末は売却できる?
赤ロムとは?
「赤ロム」とは、携帯電話・スマートフォンなどの端末が、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)によってネットワーク利用制限がかけられている状態を指します。
赤ロム端末は通信が制限されているため、SIMカードを差し替えたとしても、Wi-Fi通信しか使用できません。
買取に出す場合は故障(ジャンク)品とみなされ、査定価格は大幅に減額されてしまいます。
赤ロムになる原因
赤ロムになる背景には、主に以下のような要因があります。
端末代金の未払い
端末代金を分割支払いで購入し、支払いが長く滞っている場合、キャリアによって通信が制限される可能性があります
盗難・紛失による制限
盗まれた端末や紛失届が出された端末は、キャリアによって通信が制限されます
契約違反や不正取得
キャリアの契約内容に違反する行為(不正な通信や改造)を行った場合、詐欺など不正な手口で購入した場合も、キャリアによって通信機能がロックされ使用できなくなります
赤ロムの解除方法
赤ロムになってしまった場合、所有者側で通信制限を解除することはできません。
支払いの延滞で赤ロムになってしまった場合、契約キャリアに問い合わせ、代金の支払いを完了することで制限が解除される可能性があります。
「残債あり」との違い
「残債あり」は、端末代金を分割支払いで購入し、まだ支払いが完了していない(分割払いを継続している)状態を指します。
分割支払いで端末を購入し、毎月の支払いが滞りなく行われていれば問題なく通信でき、支払いを完了することで「残債なし」の状態になります。
支払い滞納が続くとキャリアによる通信制限がかかり、赤ロム端末になってしまう可能性があります。
残債ありのスマートフォンを買取に出すことは可能ですが、売却後も支払い義務は残るため注意が必要です。
メルカリやヤフーオークションなどの個人間取引で、残債ありの端末を売買することは原則として禁止されています。
赤ロム・白ロム・黒ロムの違い
赤ロムの他に、「白ロム」「黒ロム」と呼ばれる端末が存在します。
「白ロム」はネットワーク利用制限がかかっておらず、端末代金の支払いが完了しているため赤ロム化するリスクがない端末を指し、中古市場では最も売れやすい端末です。
「黒ロム」は、ネットワーク利用制限だけでなく、端末自体の通信機能が無効化された端末を指し、赤ロムと同様に査定価格は大幅に減額されます。
赤ロム・黒ロム端末はモバイル通信が使えず、普段使いのスマートフォンとして使用することは難しいため、誤って購入しないように注意が必要です。
白ロム | 赤ロム | 黒ロム | |
SIMカード | 無(使用可能) | 無(使用不可) | 無(使用不可) |
モバイル通信 | 可能 | 不可(ネットワーク利用制限) | 不可(通信機能が無効) |
Wi-Fi通信 | 可能 | 可能 | 不可(通信機能が無効) *Wi-Fiのみ使える場合もあり |
購入リスク | リスクなし | 黒ロム化する可能性あり | 使えない可能性あり |
活用方法 | 普段使いのスマホとして使用可能 | Wi-Fi専用機 部品を再利用 |
Wi-Fi専用機 部品を再利用 |
赤ロムかどうか確認する方法
端末が赤ロムかどうか確認するには、ネットワーク利用制限の状況を確認する必要があります。
ネットワーク利用制限の確認手順は以下の2ステップです。
- IMEIを確認する
- ネットワーク利用制限を確認する
1.IMEI(製造番号)を確認する
IMEI(製造番号)は、端末の設定アプリから確認できます。
iPhoneの場合
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
Androidの場合
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- 「デバイス情報」をタップ
2.ネットワーク利用制限(残債)を確認する
ネットワーク利用制限は、契約中のキャリアの「ネットワーク利用制限携帯電話照会」にアクセスし、IMEI番号を入力することで確認できます。
キャリア | ネットワーク利用制限確認ページ |
docomo | http://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/top.php |
au | https://my.au.com/cmn/WCV009001/WCE009001.hc |
Softbank / Y!mobile / EMOBILE | https://ct99.my.softbank.jp/WBF/icv |
楽天モバイル | https://network.mobile.rakuten.co.jp/restriction/ |
UQモバイル | https://uq-communications.jp/nw-restriction/ |
mineo | https://my.mineo.jp/info/GNS010101GNS010101_Init.action |
キャリアが分からない場合
契約しているキャリアが分からない場合は、ネットワーク利用制限チェッカーというサイトから、docomo、au、Softbank、楽天モバイル、Y!mobile(ソフトバンクとして出力)、mineo、UQ モバイル、の 最大7 キャリアを同時に調べることができます。
*1,10,30,33,35,44,45,49,50,51,52,53,54,86,91,98,99のいずれかで始まるIMEIのみサポートされています
判定記号と意味
判定結果 | 意味 |
〇 | 残債なし(利用制限なし) |
△ | 残債あり(利用制限なし) *代金債務の不履行により利用制限となる可能性あり |
× | 利用制限あり |
– | IMEIの確認不能 |
ネットワーク利用制限の判定は、〇△×-の4つの記号で表示されます。
「◯」は端末代金の支払いが完了しており、問題なく買取・下取りに出すことができます。
「△」は支払いが完了していない「残債あり」の状態であり、買取・下取りに出すことはできますが、減額対象になるリスクがあります。また、売却後も支払い義務は残ります。
「×」はネットワーク利用制限がかかった状態=赤ロム端末です。
赤ロム端末の購入リスクを回避するには?
信頼できるショップ・業者から購入する
中古の携帯電話・スマートフォンを購入する際は、信頼できるショップ・業者から購入することが大切です。
安さ重視で選んでしまうと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ショップ・業者を選ぶ際は、以下のポイントに注目して比較検討しましょう。
- 製品保証があるか
- 販売実績の多さ
- 店舗数の多さ
- (良い)口コミの多さ
個人間取引を避ける
近年はメルカリやヤフーオークションなど、個人間での売買が増えています。
個人間取引を行うプラットフォームでは、残債ありの携帯電話・スマートフォンは、トラブル防止のため原則出品禁止となっていますが、運営会社によって端末の本体確認が行われている訳ではないため、悪質な出品者から赤ロム・黒ロム端末を購入してしまうリスクがあります。
誤って赤ロム・黒ロム端末を購入してしまった場合、返金保証を受けられる可能性は100%ではないため、携帯電話・スマートフォンは専門のショップ、業者から購入することをおすすめします。
赤ロム端末を購入してしまった場合
赤ロム端末を誤って購入してしまった場合、まず販売元の業者や出品者に問い合わせましょう。
ほとんどの業者では数日間のクーリングオフ制度があるので、早急に問い合わせるようにしましょう。
メルカリやヤフーオークションなどの個人間取引の場合も、出品者と運営会社に問い合わせ、キャンセル・返金を申請しましょう。
赤ロム端末は売却できる?
一部の業者では赤ロム端末の買取を行なっていますが、盗難品や不正契約された端末は対象外となっている場合がほとんどです。
赤ロム端末は故障(ジャンク)品扱いとなるため、査定価格は大幅に減額されます。
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