iPhoneの初期化は「設定」アプリから行うことができますが、本体の不具合やネットワークの状態など、様々な理由で初期化できない場合があります。
本記事では、iPhoneを初期化できない場合に考えられる原因と対処法、強制的に初期化する方法を分かりやすく解説します。
↓通常の初期化方法はこちら
↓初期化前の注意点も合わせてご確認ください
iPhoneの初期化ができない理由と対処法
iPhoneの初期化ができない場合に考えられる理由は主に、
- Apple ID・パスワードが分からない
- ネットワーク接続がない(オフラインで初期化したい)
- iPhone本体の故障・不具合(電源が入らない)
- 紛失・盗難のため端末が手元にない
の4つです。それぞれの対処法を詳しく解説します。
1.Apple ID・パスワードが分からない
Apple IDが分からない場合は、以下の手順で確認しましょう。
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- ページ上部に表示される自分の名前をタップ
- アカウント名の下にサインインしているApple ID(メールアドレス)が表示される
iPhoneが手元にない場合
iPadやMacなど、同じApple IDでサインインしているデバイスがあれば、各デバイスの「設定」アプリからApple IDを確認できます。
同じApple IDでサインインしているデバイスがない場合も、Appleの公式サイトから確認することができます。
- Apple ID管理ページ にアクセスする
- 「Apple IDをお忘れですか?」をクリック
- 「名前」と「登録したメールアドレス」を入力し、「続ける」をクリック
- Apple IDが表示される
Apple Accountのパスワードを忘れた場合
以下の手順でパスワードをリセットしましょう。
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- ページ上部に表示される自分の名前をタップ
- 「サインインとセキュリティ」をタップ
- 「パスワードの変更」をタップ
- アカウントに登録されている電話番号宛てに確認コードが送信されます
- 「パスワードの変更」画面で「パスワードをお忘れですか?」をタップ
- 2段階認証設定時に登録した電話番号を入力し「続ける」をタップ
- パスコード入力画面が表示された場合は、画面の表示を確認し、設定中または過去に設定していたパスコードを入力
- 新しいApple IDパスワードを設定する
- 確認用に同じApple IDパスワードを入力し、「続ける」をタップ
- 「完了」をタップ
iPhoneが手元にない場合も、Appleの公式サイトからパスワードをリセットできます。
- Apple ID管理ページ にアクセスする
- Apple ID(メールアドレス)を入力し、「続ける」をクリック
- リセット方法を選択
- 登録済みのメールにリセットリンクを送る
- セキュリティ質問に答えてリセット
- 別のデバイスで承認する(2段階認証設定済みの場合)
- 新しいパスワードを設定
2.ネットワーク接続が無い(オフラインで初期化したい)
ネットワークが無い状態でiPhoneの初期化はできないため、Wi-Fiが自宅にない場合は、安全なフリーWiFiのあるスポットを探して、初期化しましょう。
故障等によりiPhoneのネットワーク接続ができない場合、iPhoneとパソコンをコード接続し初期化することができますが、その場合もパソコンがネットワーク接続されている必要があります。
3.iPhone本体の故障・不具合(電源が入らない)
上記2つの理由に当てはまらない場合、iPhone本体の不具合が原因となっている可能性があります。
iPhoneに不具合がある場合は、以下の3つを試してみましょう。
- iPhoneを再起動する
- iOSをアップデートする
- 本体を充電してから再度初期化を試す
4.紛失・盗難のため端末が手元にない
iPhoneを紛失または盗難に遭い、端末が手元になく初期化できない場合は、iCloudにサインインし「iPhoneを探す」機能を使って遠隔でiPhoneを初期化することができます。
「iPhoneを探す」から初期化する手順は、次にご紹介する「iPhoneを強制的に初期化する方法」をご確認ください。
iPhoneを強制的に初期化する方法
iPhoneを強制的に初期化する方法は主に以下の3つです。
- 「iPhoneを探す」から初期化する
- リカバリーモードで初期化する
- DFUモードで初期化する【非推奨】
それぞれの手順を詳しく解説します。
1.「iPhoneを探す」から初期化する
- パスコードを忘れた
- 端末が手元にない
という場合は、ブラウザ版のiCloudから「iPhoneを探す」機能を使い、パソコンまたはスマホから初期化することができます。
手順
- iCloudのサインインページにアクセスする
- Apple ID・パスワードを入力しサインインする
- 「iPhoneを探す」を選択
- マップが表示されたら、画面上部の「全てのデバイス」をクリック
- 初期化するiPhoneを選択
- 「このiPhoneを消去しますか」と表示されたら「消去」をクリック
*iCloudから初期化するには、iPhone側の電源が入っている状態で、かつ「iPhoneを探す」の設定がオンになっている必要があります。
*iPhoneがオフラインの場合でも、初期化は可能です。次にiPhoneがオンラインになったタイミングで、リモートで初期化が開始されるように設定できます。
2.リカバリーモードで初期化する
- iPhoneが故障・不具合で操作できない
- 電源が入らない
- パスコードを忘れた
という場合は、パソコンとiPhoneをコード接続し、リカバリーモードで初期化できます。
MacOS Catalina以降のMacは「Finder」から、MacOS Mojave以前のMac、Windowsパソコンは「iTunes」から初期化することができます。iTunesは最新バージョンをインストールしてください。
手順
- パソコンとiPhoneをコード接続する
- iPhoneをリカバリーモードで起動する
- iPhone上にリカバリーモードの画面が表示される
- パソコン上に「アップデートまたは復元を必要としているiPhone(iPad)に問題があります」というメッセージが表示されたら「復元」をクリック
リカバリーモードでの起動方法は機種により異なります
iPhone 6s以前 | 電源ボタン+ホームボタンを同時に長押し ↓ リカバリーモードの画面(PCとケーブルのアイコン)が表示されたら離す |
iPhone 7シリーズ | 電源ボタン+音量を下げるボタンを同時に長押し ↓ リカバリーモードの画面(PCとケーブルのアイコン)が表示されたら離す |
iPhone 8/8Plus以降 | 音量を上げるボタンを押してすぐに放す ↓ 音量を下げるボタンを押してすぐに放す ↓ 電源ボタンを長押し ↓ リカバリーモードの画面(PCとケーブルのアイコン)が表示されたら離す |
*リカバリーモードで初期化する場合、データのバックアップ操作が行えません。そのため、データは事前にバックアップしておく必要があります。
*初期化前に「iPhoneを探す」の設定をオフにしておく必要があります。オンのまま初期化するとアクティベーションロックがかかり、初期化後にiPhoneが使用できなくなります。
3.DFUモードを使用する【非推奨】
上記いずれの方法を使っても初期化できない場合、DFU(Device Firmware Upgrade)モードを使って初期化する方法がありますが、Appleが推奨する方法ではないため、あくまでも最終手段となります。
最悪の場合、iPhoneが使えなくなる可能性があるため、自己責任で操作を行なってください。
手順
- パソコンとiPhoneをコード接続する
- iPhoneをDFUモードで起動する
- パソコン上に「アップデートまたは復元を必要としているiPhone(iPad)に問題があります」というメッセージが表示されたら「復元」をクリック
DFUモードでの起動方法は機種により異なります
iPhone 6s以前 | 電源ボタン+ホームボタンを同時に長押し ↓ 画面が黒くなり、リカバリーモードの画面が表示されるまで押し続ける |
iPhone 7シリーズ | 電源ボタン+音量を下げるボタンを同時に長押し ↓ 画面が黒くなっても押し続ける ↓ パソコンに「リカバリーモードのiPhoneが見つかりました」と表示されたら成功 |
iPhone 8/8Plus以降 | 音量を上げるボタンを押してすぐに放す ↓ 音量を下げるボタンを押してすぐに放す ↓ 電源ボタンを長押し ↓ 画面が黒くなり、Appleロゴが表示されても押し続ける ↓ パソコンに「リカバリーモードのiPhoneが見つかりました」と表示されたら成功 |
*DFUモードで初期化する場合、データのバックアップ操作が行えません。そのため、データは事前にバックアップしておく必要があります。
*初期化前に「iPhoneを探す」の設定をオフにしておく必要があります。オンのまま初期化するとアクティベーションロックがかかり、初期化後にiPhoneが使用できなくなります。
それでも初期化できない場合
Apple・キャリアに問い合わせる
iPhoneを初期化できない場合は、契約キャリアまたはAppleの公式サポートに問い合わせてみましょう。
リカバリーモード・DFUモードでの初期化方法はバックアップの作成ができず、最悪の場合iPhoneが使えなくなる可能性があります。
故障・不具合が原因と考えられる場合は、無理に強制初期化せず、iPhone本体の不具合を解消することが大切です。
iPhoneの修理を依頼する
iPhoneの初期化方法は修理業社や買取業者にも相談することができます。
故障・不具合が原因で初期化が行えない場合は無理に強制初期化せず、修理を検討しましょう。
「Apple Care+」など、iPhone専用の補償サービスに加入している場合は、修理・交換を検討しましょう。
初期化前にデータのバックアップを忘れずに!
初期化(リセット)を行うと、iPhone内のデータが完全に消去され、出荷時の状態に戻ってしまいます。
- Wi-Fi設定/位置情報の設定/パスコードロック/アクセシビリティなどの設定
- インストールしたアプリ
- iPhoneで撮影した写真や動画
- ダウンロードした音楽などのコンテンツ
- 連絡先/送受信メールなどのデータ
など、機種変更後も必要なデータを初期化前にバックアップ、移行しておくことが大切です。
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